2009年のできごと

内容
  1月
  『アベンジャー型犯罪』(岡田尊司
  2月
  イギリス労働党議員のキース・ヴァズの活動によりイギリスのAmazonが『レイプレイ』(アイワン/ILLUSION)の取り扱いを中止する。
太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』(日本テレビ)でタレントの山崎邦正の「他人の子どもへのゲンコツを認めます」という法案で、「子どもの15.4%が『人が死んでも生き返る』」(長崎市教育委員会)について自民党衆議院議員大村秀章が「テレビゲームのやりすぎ」、「人の絵を書くと手を書かない」について評論家の金美齢が「今の子どもはテレビゲームで空想と現実の区別がついていない」と発言。さらにそれらの書かれた大きなボードの上に「ゲームの影響」のシールが貼られた。法案は賛成7反対15で否決、視聴者投票では賛成65%反対35%。
20 アメリカカルフォニア州のゲーム規制法が「テレビゲームが未成年に心理学的・神経学的な影響があることは証明されていない」として違法判決が下る。
26 キース・ヴァズが国会で『レイプレイ』がイギリスのAmazonで販売されていることを女性平等担当大臣のハリエット・ハーマンに質問する。
  3月
  ドイツ南部シュツットガルトで17歳の少年が学校で銃を乱射し自殺する事件が発生。犯人の少年が『カウンターストライク』を持っていたことからドイツで「暴力ゲームの製造・流通・販売・所持の禁止」を目的にする法案が提出される。この法案の提出者のガンター・ベックスタイン(Gunther Beckstein)内務大臣は「『暴力的なゲーム』は人間の暴力に対する感覚を麻痺させると共に、刺激的な影響を及ぼしているのは間違いない」と発言。この動きを受け8月に開催予定されていたConvention-X-Tremeなどの複数のゲームイベントが中止となる。
  4月
  デジタルゲーム学習 シリアスゲーム導入・実践ガイド』(著:マーク・プレンスキー 訳:藤本徹)
  5月
  『「メディア漬け」で壊れる子どもたち』(清川輝基 内海裕美)
  『ゲームと犯罪と子どもたち ――ハーバード大学医学部の大規模調査より』(著:ローレンス・カトナー シェリル・K・オルソン 訳:鈴木南日子)
アメリカの人権保護団体「イクオリティ・ナウ」が160か国の会員3万人にたいして制作会社・販売会社や首相などの日本の要人に対して抗議文を出すように呼びかける。
『読売新聞』が「日本製「性暴力ゲーム」欧米で販売中止、人権団体が抗議活動」という題で2月のAmazonの『レイプレイ』取扱い中止やイクオリティ・ナウの抗議活動を掲載。アイワンは当日に『レイプレイ』の紹介・ネット販売を中止。
11 『読売新聞』が「「性暴力ゲーム」メーカーがネット販売中止、アマゾンも」という題でイクオリティ・ナウ理事で弁護士の角田由紀子の発言を掲載。
13 『読売新聞』が「性暴力ゲーム、規制議論を」という記事を掲載。CSA(コンピュータソフトウェア倫理機構)や角田由紀子日本ユニセフ協会(注:国連組織との関係はない)の中井裕真の発言を掲載。中井は実際は正規のルートで販売されてゾーニング(販売区分分け)されているにもかかわらず「18禁ゲームが裏流通されている」「子どもの目にも簡単に触れられる」という内容の発言をする。
26 ドイツで暴力ゲーム規制反対デモが行われ、約400人が参加する。
28 TBSが「凌辱系ゲーム製造・販売禁止」をとばし記事として報道。
  6月
ソフ倫が凌辱ゲームの製造・発売を禁止する通達を出す。
公明新聞』が「追放へ一刻も早く法改正を」という記事を掲載。
毎日新聞』が社説で「児童ポルノ 世界の批判を聞こう」という記事を掲載。
『読売新聞』で改正児童ポルノ法提案者の自民党衆議院委員の葉梨康弘、改正反対派の民主党参議院委員の千葉景子の意見を掲載。葉梨は「与党案では将来の(漫画・アニメ・ゲームに対する)規制に向けて政府が調査研究に着手するように求めた」と規制ありきの調査を発言、記事も規制賛成の内容で締められる。
10 『読売新聞』でスウェーデン王妃のシルビアの意見を掲載。児童買春・児童ポルノ禁止法改正案について「所持の禁止は児童ポルノ対策に大きな意味を持つ。法改正を心から希望します」と発言。
21 『読売新聞』の社説で「児童ポルノ 与野党で法案の一本化を急げ」という記事を掲載。与党案と民主党案との2案が出ていることについて「両案は、子供たちを性的虐待から守るための規制強化では一致しており、大きな隔たりはない。法案を一本化するなどして、早期の成立を図るべきだ。」と発言。
23 たちばな書店秋葉原店の店長がはわいせつ物頒布罪の容疑で逮捕。
25 minoriが海外からの自社サイトへのアクセスを遮断。これをきっかけに他のアダルトゲーム制作会社も海外からのアクセスを遮断。
26 毎日新聞』にアグネス・チャンへのインタビューが載る。
26 改正児童ポルノ法審議開始。
  7月
国連女性差別撤廃委員会が「日本の女性差別撤廃条約の実施状況」の審議のための参考情報の提供要請にイクオリティ・ナウが参考情報を提出する。
  京都府綾部市議会がユニセフ協会京都綾部友の会から提出された請願第3号「子どもポルノ問題に関する請願」が産業・環境・厚生委員会で可決(定数18 賛成13 共産党は反対)。本会議でも可決。
毎日新聞』書評で小西聖子が書いた「ゲームと犯罪と子どもたち」の書評が掲載。
週刊ポスト』7月17日号が「「児童ポルノ法」改正の乱用であなたが突然逮捕される日」という題で記事を掲載。
『月刊「潮」』が「「レイプレイ」事件で進むゲーム規制の動き」という題で児童ポルノ法のこれまでの流れ・問題点を指摘する記事を掲載。インタビューに社民党衆議院議員保坂展人、弁護士の山口貴士の意見を掲載。
ドイツの暴力ゲーム規制反対に対する署名が始まる。1週間で目標達成(7月15日時点で56000通)。
10 一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)が国会で審議中の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(児童ポルノ禁止法改正案)」についての緊急声明を発表。内容は、改正は、1.児童ポルノ定義の客観化・限定化 2.処罰対象の客観化 3.冤罪の可能性がある処罰の新設ではなく確実な法執行による児童保護 4.ネット規制前に憲法などの法律等の整合性の確保 5.今後本当に児童を守るための施策の検討――の5点を考慮すべきと発言。
13 東京都議会議員選挙で民主党が第1党となり、自民・公明党議席合計が過半数割れ(127議席中自民38公明23計61議席)する。
13 国会解散の流れの影響を受け、翌日の民主党の法務部門会議が中止となる。
17 『ミヤネ屋』(日本テレビ)の放送中、関西大学教授の白石真澄が「『日本は児童ポルノ大国だ』と世界中から笑われ者になっている」といった内容の発言をする。
20 毎日新聞』が「児童ポルノ禁止法:改正案の課題 与党と民主、異なる「単純所持」定義」という記事を掲載。
22 『週刊SPA!』が「児童ポルノ法改正をめぐるバカ発言に仰天」という記事でアグネス・チャン参考人招致での発言の真偽の調査やインタビューを掲載。インタビューに反対派で日本雑誌協会倫理委員会長の山了吉、民主党衆議院議員議員の西村ちなみ、賛成派で自民党衆議院葉梨康弘、その他に経済学者の森永卓郎、元AV監督の藤本貴明の意見を掲載。
23 国連女子差別撤廃委員会が日本の女性差別撤廃条約の実施状況の審議が開始される。
25 ドイツのケルン・カールスルーエ・ベルリンの3都市で暴力ゲーム規制反対デモが行われる。
28 ドイツの暴力ゲーム規制反対に対する署名が64824人分集まる。必要数(5万人分)集まったため1カ月早く締め切る。
  8月
15 保坂展人コミックマーケット76の2日目に一般参加者として参加。
18 国連女性差別撤廃委員会が「レイプや性暴力を扱ったビデオゲームや漫画の販売禁止」を勧告。
23 日曜ビッグバラエティ 激録 警察密着24時!!絶対タイホしてやるぞSP』(テレビ東京)で児童ポルノが取り上げられるが、その際にグラフや新聞の切り抜きで2004年から急に事件が増えたとしか見えない図と説明を行い「児童ポルノの発信の80%は日本から』と放送。
30 第45回衆議院総選挙で民主党大勝。
  9月
25 太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』でタレントの加藤晴彦の「土曜授業を完全復活させます」という法案で、子どもがおかしくなってる例として群馬県教育委員会の「人は死んでも生き返るか」について「はい・ありうる」が29%について自民党衆議院議員竹本直一が「ゲームのやりすぎ」と発言。民主党衆議院議員のうえまつ恵美子が「一概にゲームの影響とは言えない」と発言したが、竹本は「ゲームの影響」と発言。法案は賛成9反対12で否決、視聴者投票では賛成69%反対31%。
  10月
17 ドイツ南部シュツットガルトで3月に起きた銃乱射事件の被害者遺族が、シュトゥットガルト州立歌劇場の前で収集した暴力ゲームを廃棄するイベントを開催。集まったゲームは3本。
25 東京新聞』が「『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ」という記事を掲載。記者は岩岡千景。
27 自民党が児童買春・ポルノ禁止法改正案を提出する方向で調整。法案内容は6月に自民党公明党で共同提出したものとほぼ同様。
  11月
5 ベネズエラで暴力ゲームと暴力的な玩具を禁止する法案が可決。
17 15時ごろ『読売新聞』が「児童ポルノ「単純所持」禁止…民・自・公が改正案」というとばし記事をウェブ上に掲載。同日ウェブ上から削除。20時ごろ共同通信が「児童ポルノ改正、再提出へ 自民「単純所持」禁止」という記事を掲載。
18 夕刊フジ』が「児童ポルノ論争 犯罪防止か 表現の自由か」という記事を掲載。
20 自民党公明党が単純所持を処罰対象にした児童買春・児童ポルノ禁止法改正案を衆院に提出。
22 埼玉県白岡町白岡の町コミュニティセンターで「教育を考える彩の国県民フォーラム」が開催。高橋史朗が講演を行う。
26 第28期東京都青少年問題協議会答申素案に関するパブリックコメント募集開始。期間は12月10日まで。
  12月